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活動状況

難病治療に新手法 佐賀大小児科グループ

 佐賀大の松尾宗明准教授(小児神経学)らの研究グループは2014/9/29、シクロデキストリンというオリゴ糖を脳室(脳内の空間)に投与してニーマンピック病C型の進行を止める治療効果を確認したと発表しました。治療成果が9/20付で米国の遺伝性代謝疾患学会誌 Molecular Genetics and Metabolism Reports の電子版に掲載されました。

佐賀大学医学部小児科の松尾宗明准教授らの研究グループは、知能障害などを引き起こす難病「ニーマンピック病C型(NPC)」の新たな治療法の有効性を確認したと発表した。佐大医学部附属病院で治療している女児(9)に対し、環状オリゴ糖「シクロデキストリン」を、脳内に直接注入することで病状の進行を抑えることができた。研究成果は、米国の医学専門誌「モレキュラー・ジェネティクス・アンド・メタボリズム」の電子版(9月20日付)に掲載された。

 NPCは、遺伝子の欠損で細胞内のコレステロールを転送できず異常に蓄積されてしまうことで代謝不全や神経細胞が死滅し、運動能力の退行や知能障害、肝臓・脾臓の肥大化などを引き起こす。発症率は12万人に1人で、国内に数十人いるという。

 オリゴ糖が病状の進行を食い止める効果は2009年4月に米国で確認されている。研究グループは09年9月から、患者の女児に点滴で静脈に注入したが、改善が見られなかった。治療に使うオリゴ糖は分子量が大きいため脳内に十分に届きにくいことを突き止め、脳室(脳内の空間)に直接送り込む方法に切り替えた。

 11年9月、女児の頭部に長さ10センチ程度のシリコン製の管を埋め込み、オリゴ糖を脳室に2年間投与したところ、脳の萎縮が止まり、脳波も良好に推移したという。女児は寝たきりの状態が続いているが、声を出して笑ったり、動く対象を目で追うことができているという。

 松尾准教授は「実用に至るまでにはもうしばらく研究が必要だが、大きな第一歩を踏み出すことができた。多くの患者に治療が行き渡るようにしたい」と話した。

(佐賀新聞Live 2014/10/11掲載記事を引用)

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