活動状況
7/29新聞報道
7/29 佐賀の高藤さんのご家族(吾子ちゃん)が地元紙に大きく報じられました。
日本に7人。難病と闘う女の子 新薬使用に望みを託し!
進行性の神経疾患で有効な治療法がない難病「ニーマンピック病C型」と向き合う家族がいる。佐賀市多布施の会社員高藤恒泰さん(39)と妻優美さん(35)。病気と闘う長女吾子(あこ)ちゃん(3つ)の回復を信じ、米国で治験が進む新薬を使えないか模索を始めた。「吾子の笑顔がずっと続いてほしい」。夫妻は手足の機能を保つためのリハビリを続けながら、新薬使用に期待をかけている。
ニーマンピックC型は、国の特定疾患(ライソゾーム病)の一つ。コレステロールの輸送を行う分解酵素が先天的に欠損し、脂質やコレステロールが蓄積して肝臓や脾臓(ひぞう)が腫れ、老廃物が蓄積するとともに、精神・運動発達が止まり、歩行できなくなる−などの症状が出る。家族会が把握できている患者数は全国で7人、九州では吾子ちゃん1人だけだ。
病名が分かったのは、生後3カ月の2005年12月。妊娠6カ月目に、肝臓や脾臓の肥大化が指摘されたが、初めは原因がつかめなかった。医師は「最悪の場合、2歳までしか生きられない。成長も健常児の半年遅れ」と告げた。
厳しい現実を突き付けられたものの、「医師の言葉がうそじゃないかと思うほど、すくすく成長した」(恒泰さん)。生後4カ月で首が座り、11カ月ではいはい、1歳7カ月目にはひとりで歩けるようになった。育児本の目安よりは遅れたが、病気を否定したい気持ちも手伝って、夫妻は強い心を持ち続けた。
状況が変化したのは2歳を過ぎたころ。体がふらつき、よく転ぶようになった。体温調節がうまくできず、一年中風邪の状態が続いた。昨年12月には急激に病状が悪化し、けいれんを起こして緊急入院。脳の萎縮(いしゅく)が少しずつ進み、今年4月の知能検査では1歳半レベルにまで後退していた。
「これから先、どうなるのか」。募る不安に今年5月、同じ病気と闘う千葉県の家族を訪ね、患者会と情報交換を始めた。「わたしたちは今でもあきらめていない」。力強い言葉が2人の背中を押した。「米国で新薬の治験が始まり、病気の進行が止まるなど効果が出ているらしい」という情報が一筋の光になった。
治験中の薬の使用は、例え認められたとしても全額自己負担で高額な出費を伴う。さらに治験中の薬を日本で使うには、倫理面のハードルも立ちはだかる。しかし高藤さん家族はニーマンピックC型の治療を研究する鳥取大学医学部の大野耕策医師を訪ねて相談するなど、家族会とともに早期使用を目指す活動を始めた。
吾子ちゃんはいま、立つにも支えが必要で、のどの違和感から食べ物を飲み込むことも難しくなっている。「このまま進行すれば誤嚥(ごえん)を防ぐための手術で、吾子の言葉すら聞けなくなる。望みをつなぐため、新しい薬に賭けてみたい」。夫妻は吾子ちゃんの手をしっかりと握りしめた。
(佐賀新聞社のWebページ「ひびのニュース」より)
